龍族の起源
龍族は、惑星「ヒルノル」からはるか遠く離れた星「ミシロン」に由来する。
黎明期に誕生したミシロンの生物たちは、エネルギー体だった。彼らは体の形を思いのままに変えることができ、空を飛び、普段は半透明あるいは光の姿をとっていた。
ミシロンにおける生命の死とは、エネルギー体をつなぎ止めている意志が弱まり、散り散りになってしまうことだった。そして、それはごく簡単に起こった。つまり、ミシロンの生物たちは非常に寿命が短かった。子孫を残す力すら持たなかったのである。
見方を変えれば、惑星のエネルギーがあちこちを流れ、どこかで生じた意志を中心に結びつくことで生物が生まれ、その意志が散れば消えていく、ということだった。
そうなった理由は、ミシロンの大気に毒性があり、ミシロン由来ではない一般的な細胞組織では焼けただれ、生き残ることができなかったためである。
歳月が流れ、エネルギー体の周囲に物質を作り出す生物が現れた。物質を備えた生物たちは寿命が延び、高等生命へと発達した。生殖能力も得るようになったが、それは単性生殖だった。
彼らは体が軽かったため、巨大な体を持つ方が有利だった。そうして次第に、より巨大な存在へと変わっていき、ついに龍が現れた。
やがて龍たちの体はさらに大きくなり、数百メートルほどの体格が平凡な大きさといえるほどになった。そしてついに、途方もなく巨大な龍「ミサゴン」が誕生した。
龍たちは脊椎動物ではなく、また単性生殖を行うため、多様性には限界があった。長い寿命を通じて高度な知性を得た龍たちは、より確かな肉体を得るため、毒性がなく脊椎動物に適した大気を持つ世界を探そうとした。
この頃まで、エネルギー体から始まった龍たちの外見はさまざまで、現在知られる龍とは異なる姿も珍しくなかった。
龍たちは、意志さえ乱さなければ幽体離脱を行うことができた。ミサゴンのような龍は、次元移動すら可能だった。彼らは複数の次元にわたり、龍が住むにふさわしい場所を探した。
そしてついに、ミサゴンが「ヒルノル」を発見した。ミサゴンは自らの霊的な身体を橋、すなわち次元門に変え、ヒルノルとミシロンをつなげた。ヒルノルへ渡ったミサゴンは、この世界で最も恐怖と尊敬を呼び起こせる姿を自然に悟り、龍の姿をとった。
ミサゴンは、新たに生まれた龍たちが脱皮するたびに、二つの世界を行き来させながら育てた。脱皮しながら新しい特徴を吸収する龍たちは、大気の毒性に耐える表皮と、脊椎動物の進化力を備えるようになり、ミシロンでも肉体を保てるほど強靭になった。体格も、かつてより扱いやすい大きさへと縮んでいった。
こうして繁栄した龍族は、体は小さくなったものの、下位の龍たちを支配するミシロンの征服者となった。
その時まで、ヒルノルは龍族が繁殖するための場所でしかなく、生きるための地ではなかった。
ミシロンを征服した龍たちは、それぞれが宿すエネルギーの特徴に応じて家門の名を定め、各家門の長が共同で統治する国を築いた。家門は三百あまりに及んだが、その多くは小規模であり、十大家門として知られる大きな家門が龍の国を導いた。
歳月が流れ、十大家門のうち、空、火、風、鉄の家門の間で不和が激化すると、内戦が勃発した。彼らの激しい争いによって、ミシロンは凄惨な戦場へと変わった。
数百年にわたる同族同士の殺し合いに嫌気が差した龍たちは、新たな地を望んだ。ミサゴンは彼らのため、再びヒルノルへ渡る門を開いた。氷の家門と土の家門は、戦争を望まない多くの龍を率いてヒルノルへ、正確にはヌイア大陸へ渡った。
しかし、ヒルノルはもはやかつての原始の惑星ではなかった。新たな種族たちが旧大陸で繁栄しており、ヌイア大陸を征服したヌオンは、龍たちに土地を明け渡すつもりのない侮れない敵だった。
それでも、どのような争いであっても、ミシロンで起きている惨状よりはましだったため、多くの龍がこの地に残ることを望んだ。
だが、ミサゴンが死ぬと、龍たちはミシロンへ戻るための橋を失ってしまった。ヌオンが龍たちに力を与えていると疑っていた「ミサゴンの影」とは、故郷とのつながりを意味していた。それが断たれると、多くの龍が衰弱した。
龍たちは山や地下に隠れ住むようになった。
それからしばらくして、龍たちは新たに産んだ卵が、もはや孵化しないことに気づいた。
それまで龍たちは、特殊な方法で子孫を残してきた。龍には性別がなく、誰でも望めば卵を産むことができた。しかし実際には、母になることを選んだ少数の龍だけが卵を産んだ。なぜなら、卵を産むと死ぬか、死ななかったとしても非常に衰弱するためである。
産卵の影響から回復するには、少なくとも数十年、長ければ数百年もかかった。その間、母龍は眠りについたが、その眠りが時に数千年に及ぶこともあった。
母が眠っているため、卵は別の龍が世話をしなければならなかった。彼らは「父」と呼ばれた。
父は卵を孵化させ、幼い龍を絶対的に守り、成体になるまで連れ歩いた。最初は母によく似た姿をしていた幼い龍は、父と共に過ごしながら何度も脱皮するうちに、父の遺伝的特徴を吸収していった。そうして成体になった時には、両親の特徴が適度に混ざり合った姿と能力を持つようになった。
卵を産まなかった龍たちは、父の役割を通じて自分の特徴を幼い龍へ受け継がせたいと考えた。そのため、龍たちが幼い龍を守ろうとする本能は非常に強かった。たとえ自分が守っている子でなくとも、幼い龍を見れば、命を懸けてでも守ろうとするほどだった。
したがって、幼い龍がひとりで行動することはほとんどなく、その背後には常に強大な父が付き従っていた。このように結ばれた同行関係は、成体になった後も続くことがあった。そのため、成体の龍も一見ひとりに見えて、実際にはひとりではない場合が多かった。
幼い龍は父の家門に属し、家門への帰属意識は非常に強かった。
一方で、母になるということは死を覚悟しなければならない犠牲であるため、母となった龍は本来どの家門に属していたかに関係なく、「母たち」という新たな分類に属するようになった。
母たちが集まり眠る場所は「神聖な安息地」と呼ばれ、母たちが休む聖域として神聖視された。そこへ侵入したり、母たちの眠りを妨げたりすることは、決して許されない罪とされた。
韓国公式サイト『ルシウスの記録』より